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キッチンから日々のこと

by mcherry0929

この粉かもしれない

やっと晴れましたね。昨日は雪がちらついてびっくりしました!!
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また?と言われそうですが、短い時間の中で焼くお菓子と言えば、スコーン、チョコチップクッキー、そして定番のバナナケーキなのです。あまり焼いていないと思っていたのに、気がつけばこれでベーキングパウダーが空っぽになりました。

今日のスコーンは「臼いずみ」という国産小麦の薄力粉を使って焼いてみました。
スコーンを焼き続けている私ですが、自分でおいしいな、と思うスコーンにこれまで二度ほど出会ったことがあり、そのうち一つのお店は閉店してしまったのでもう買えません。今となってはまぼろしのスコーンです。お店があったのは子供達が小さい頃の話ですが。

奥さんとお嬢さんが二人でやっていた小さなお店でした。そのスコーンのパンのような食感が大好きで、焼きたてを買いに行ってはシロップやジャムをつけていただくのが楽しみでした。

B.Pと薄力粉、イーストではないと言う事しか教えていただけず。。(当たり前ですよね。笑)私なりにず〜っと試行錯誤を繰り返しては あのスコーンみたいな食感を試してみたのですが、これがなかなか。。。。 それが先日ある方との会話からそのお店の仕入れ先がわかり。。もしかしてあのスコーンに使っていたのはこの粉なのではないかなぁ。。と 一つの答えにたどり着いたのです。

出来上がりを食べてみて、私の勘は間違っていない気がして 一人ニヤニヤ。このお粉はスコーンには向いているのではないかと思います。今日はお砂糖ではなくてゴールデンシロップを使ってみたので、サクッとではなくしっとり焼き上がりましたが、普通の薄力とブレンドしたり、今後色々実験して「あの食感」に近づけてみようと思います♪




先日栗原はるみさんの「harumi 冬号」を買いました。その冒頭のエッセイで栗原さんが「start over」と言う言葉に出会って、目から鱗が落ちる思いがしたとおっしゃっていました。この言葉に元気づけられる。。とも。

日本語に訳すと「仕切り直す」とか「新たに始める」とかいう意味で、今ここから新しく始めるというニュアンスでしょうか。。。。この雑誌を買ってから数日して、夜録画しておいたNHKの「旅のチカラ」という番組で、イギリスにシェフ修行に出た栗原さんのドキュメントを見ました。

職場のスタッフへの自己紹介で、「私は64歳、人生をスタートオーバーしなくてはと思いここに来ました」と言う栗原さんは すごく勇気のある人だなと思いました。
あんなに成功して、日本では彼女を知らない人はないくらい有名になって、素晴らしいご家族もいらして、事業も成功して、本もたくさん出して。。。。彼女のように成功を手にした人も珍しいのではないでしょうか。

そんな彼女が。。。「start over」したい、殻をやぶりたい。。。とここに来て 何がそんな気持ちにさせるのかわかりませんが、きっと栗原さんなりに、現状を突き抜けて その先に進みたい気持ちになったのでしょうか。。。

たった五日間でシェフになれる訳ではないのですが、最初に冷たかった周囲のスタッフが 彼女の真剣さと素直さに だんだんに心を開いていくのが 画面を通して伝わってきました。とまどっていた栗原さんも夢中で働く中で「ここに勤めたくなっちゃった」なんて言うくらい現場に溶け込んでいきました。最後の日に、「お掃除させて下さい」と申し出て、キッチンを丹念に磨き上げる栗原さん、最後はこぼれる笑顔で一人一人とお別れの握手をして。。。こちらまで心が洗われる思いでした。

働くことって悪くない。最近素直にそう思うようになりました。実際仕事というのは厳しいものですし、責任やプレッシャーを感じることもあります。それでもやっぱり働くことは出会いも含めて自分に何かを与えてくれる気がします。帰ってきて家族に会うとホっとするのも幸せ。それがわかったのも働くようになってから(笑)。そんなタイミングで 栗原さんの「start over」と言う言葉に出会えて私自身も元気をもらった気がしました♡

妄想かもしれないのですが、言葉なり番組なり。。最近、絶妙のタイミングで出会うような気がして、「あ、神さまから(プレゼント)だわ!!」と感謝してしまう私です。特に宗教は持たないのですが。
by mcherry0929 | 2011-12-10 14:29 | 手作りお菓子・パン