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キッチンから日々のこと

by mcherry0929

またまた映画を見てきました♪

先日オペラ座の「バレエに生きる パリ・オペラ座のふたり」を見たのですが、その時に見た予告編でこの映画がすごく気になりました。で、お休みの朝そうじと片付けが終わるや渋谷へ♪

映画のタイトルは「わたしたちの宣戦布告」。監督、脚本のヴァレリー・ドンゼッリさんの実体験を映画化したものです。ご主人とお子さんもご本人役で出演(お子さんは成長した後のみ本人)。

ストーリーは、瞬く間に恋に落ちて結婚したドンゼッリ夫妻に赤ちゃんができて、仕事も順調、新居も構え、未来に希望が一杯。。。という状況でスタート。でも、愛する一人息子のアダムの様子がちょっとおかしい。検査の結果アダムが小児癌であることがわかり、絶望する二人。そこから二人の戦いが始まる。またまた映画を見てきました♪_e0122032_20465833.jpg

これだけ読むと、よくある「涙で画面が見えない映画」みたいに思えるかもしれませんが、この映画はそういう類いのものではありません。

ぽろぽろ泣くこともなく。。とにかくすごく映画の現実に入り込んで見ました。(今回は寝ることもなく、時間も忘れ。。)アダムの病気が発覚するシーンでは、母親であるヴァレリー(役名はジュリエット)の絶望と恐怖が鳥肌がたつほど伝わったし。

一番印象に残っているシーンは。。。息子の闘病生活がすべてになってしまった二人の疲れと精神的な限界、ふつうの社会生活から孤立を余儀なくされたかのような日々の中、夫のロメオが
「僕たちは幸せだった。。。。どうしてアダムがこんな目に合うんだ」
と、やるせない疲れきった表情で吐き出した時に、妻であるジュリエットが
「わたしたちなら 乗り越えられるからよ」
と、静かに一言つぶやくシーンです。

予告編でも切り取られているシーンですが、ここがこの映画の一番のメッセージなのかなと思います。人生には、それぞれ誰にでも悲しいことや思いもよらない出来事が訪れると思います。そういう時、その現実と向き合い対処する勇気が誰にでもあるとは限りません。この映画は容赦ない現実の厳しさも描いていますが、同時にそれを乗り越えていく人の逞しさや可能性、支える人たちの温かさも見せてくれます。

自分の身にふりかかる事って選びようがないものだと思いますし、結局できることと言えば、自分が置かれたその状況(現実)の中でできることを精一杯すること、なのでしょう。現実に対処すると言いますか。。英語に"cope with"という表現がありますが、この言葉の意味に近いかも。最近cope withって良い言葉だなぁ。。と思う。つらすぎてやり過ごすだけ、という時期ももちろんあるでしょうけれど。

映画の最後には楽しげなエンディングの音楽が流れ、出演者始め制作者やスタッフの名前が字幕で流れるだけなのですが、ほとんど席を立つ人がいなくて、皆最後までこの映画のあたたかな余韻にひたっているような感じでした。良い映画でした。
by mcherry0929 | 2012-10-01 21:30 | バレエ・音楽etc.